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アミノ酸とは? アミノ酸について簡単解説!

アミノ酸とは? アミノ酸について簡単解説!

監修者:日本プロテイン協会理事/プロテインマイスター 坂本雅俊

プロテインを始めとするスポーツニュートリション商品製造販売会社アルプロン代表取締役社長。2001年の創業以来、人々の健康と活力にあふれた毎日をサポート。2030年頃に起こるとされる世界的課題『タンパク質危機』に挑む。著作「“出世”したければ週2回筋トレすればいい」詳しいプロフィールはこちら⇒ https://alpron.co.jp/about/#message

 

今やアスリートだけではなく、一般の方にも広く知れ渡り活用されているアミノ酸。
体に良いイメージがあるアミノ酸ですが、皆さんはアミノ酸のことをどれだけ知っているでしょうか。

今回は、体を作る元となる「アミノ酸」について、詳しく解説していきましょう。

 

目次

アミノ酸とは

私たちの体をつくる「たんぱく質」

アミノ酸はたんぱく質を構成する”部品”であるといえます。皆さんが食事から摂取しているたんぱく質を分解していくと、最終的にはアミノ酸になるのです。

 

アミノ酸をアスリートが摂取する特別な栄養素や薬だと思っている方もいるかもしれませんが、実は皆さんも普段の食事からアミノ酸を摂取しているのです。

 

たんぱく質とアミノ酸の関係

 

アミノ酸はたんぱく質を構成する”部品”であると紹介しました。この部分をより詳しく説明しましょう。

 

たんぱく質は、筋肉をはじめ、臓器や皮膚、髪の毛や爪の材料となっています。
また、体の材料としてだけでなく、神経伝達物質や免疫の抗体、遺伝子、体を動かすエネルギーなど生命活動を行う上で様々な役割を果たしています。

たんぱく質は生きていくうえで欠かすことができない栄養素ですが、実は食物から摂取したたんぱく質は、そのままでは体内に吸収することができません。
胃で消化されて小腸に運ばれ、アミノ酸に分解されることで、ようやく体内に吸収されるのです。

 

たんぱく質を構成するアミノ酸は20種類あり、それらが結合されているものを「たんぱく質」、たんぱく質が分解されてアミノ酸が2個~数十個程度結合したものを「ペプチド」と呼びます。
様々なアミノ酸からできているペプチドはサプリメントとしても活用され、アミノ酸単体よりも栄養価が多く、たんぱく質よりも吸収が早いというメリットがあります。

 

アミノ酸プールとは

吸収されたアミノ酸は一度血液中に放出され、その後、肝臓などの臓器や筋肉に血液を介して供給・合成し、臓器を作るためのたんぱく質として使われます。
このように、血液中にはどんな時にでも使えるようにアミノ酸が蓄えられており、血液を中心とした大きな1つのプール(アミノ酸プール)と考えられています。

 

しかし、アミノ酸は摂取した分すべてが体内に蓄えられるかというと、そうではありません。体にとって不必要な分は体外へ排出されてしまうのです。
使われずに余った分が脂肪に変わってしまうこともあります。

 

アミノ酸は体にいいという簡単な解釈だけで沢山摂取してしまうと、効果を高めることよりも、むしろ体に悪い影響をもたらしてしまう場合がありますので注意が必要です。

 

アミノ酸とは

たんぱく質を構成する20種類のアミノ酸は、大きく2つに分類することができます。

それが「必須アミノ酸」と「非必須アミノ酸」です。

 

必須アミノ酸とは

「必須アミノ酸」とは、体内で合成(作り出す)する事ができず、食事などによって摂取する必要があるアミノ酸のことです。20種類中9種類が必須アミノ酸です。

 

【必須アミノ酸9種類】

  • ロイシン
  • イソロイシン
  • バリン
  • リジン
  • ヒスチジン
  • スレオニン(トレオニン)
  • メチオニン
  • フェルアラニン
  • トリプトファン

非必須アミノ酸とは

「非必須アミノ酸」は、体内で合成(作り出す)できるアミノ酸です。
たんぱく質を合成する20種類中11種類あります。

 

【非必須アミノ酸11種類】

  • アスパラギン
  • アスパラギン酸
  • アラニン
  • アルギニン
  • グリシン
  • グルタミン
  • グルタミン酸
  • セリン
  • チロシン
  • システイン
  • プロリン上

 

上記記の20種類のアミノ酸が含有量を変えて結合することで、性質の異なるたんぱく質が作られます。

結合して作られたたんぱく質はそれぞれ働きが異なりますが、結合する前のアミノ酸それぞれにも、異なった特有の働きがあります。

「必須アミノ酸のほうが大切である」とか、「非必須アミノ酸は体内で合成されるから摂取する必要がない」というわけではありません。
全て体を作る為に必要なアミノ酸なのです。

 

アミノ酸摂取はバランスが肝心

ここで注意したいポイントが一つ。

アミノ酸はバランスよく摂取しないと効果が思うように出ないことがあります。

 

たんぱく質を多く含む食品はたくさんありますが、たんぱく質に含まれる必須アミノ酸のバランスは食品によって異なります。

 

必須アミノ酸のバランスが悪いたんぱく質、例えば9種類のうち1つだけ含有量が少ない場合、一番低い必須アミノ酸の量しかたんぱく質を合成することができません。

この一番低い含有量のアミノ酸を「第1制限アミノ酸」といいます。

第1制限アミノ酸の量が、たんぱく質を再合成する際の基準となってしまうのです。

必須アミノ酸のバランスが良い食品が、良質なたんぱく質と言えるのです。

アミノ酸のバランスとは

たんぱく質補給のための食事選びには、アミノ酸バランスが良いものが理想です。
ではアミノ酸バランスの良い食品にはどのようなものがあるのでしょうか。

アミノ酸スコア

食品を選ぶ際に参考にしたいのが「アミノ酸スコア」です。

アミノ酸スコアとは、100を満点(100を超える場合でも最大値は100)とし、100に近いほどアミノ酸のバランスが良いという指標です。

体内で必要な必須アミノ酸が全て含まれる場合、アミノ酸スコアは100となり、いくらほかの必須アミノ酸が100でも第1制限アミノ酸が50しか含まれていない場合は、アミノ酸スコアは50となります。

アミノ酸スコアの高い食品

アミノ酸のバランスが良いアミノ酸スコア100の良質なたんぱく質は、「肉類」「魚類」「卵」「大豆」「乳製品」です。これらは、たんぱく質が多く含まれている代表的な食品です。

アミノ酸スコアの高い食品

「炭水化物」や「野菜」は、たんぱく質含有量が少ないこともあり、アミノ酸スコアは低めです。

 

精白米は65ですし、野菜の場合、ジャガイモが68、トマトは48、みかんは50など全体的に低めです。
もちろん、アミノ酸スコアが低い食材でも、他の食材と組み合わせることでバランスよくアミノ酸を摂取することができます。

まとめ

意外とアミノ酸のことを知らなかったという方も多いのではないでしょうか。

 

アミノ酸は体を作る重要な栄養素です。そのため、体づくりや運動のパフォーマンスアップのためのサプリメントとしても数多く販売されています。
アミノ酸単独のものや、いくつものアミノ酸が組み合わされたものなど、その種類は豊富です。サプリメントを摂取する際は、自分に合ったものを選ぶことも大切です。

 

栄養補給は、食事から摂取することを基本とし、足りない部分はサプリメントで補うとよいでしょう。

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