監修者:日本プロテイン協会理事/プロテインマイスター 坂本雅俊
プロテインを始めとするスポーツニュートリション商品製造販売会社アルプロン代表取締役社長。2001年の創業以来、人々の健康と活力にあふれた毎日をサポート。2030年頃に起こるとされる世界的課題『タンパク質危機』に挑む。著作「“出世”したければ週2回筋トレすればいい」詳しいプロフィールはこちら⇒ https://alpron.co.jp/about/#message
健康志向の高まりにより、「プロテイン」商品を様々な場所で目にするようになりました。特に「プロテインバー」は簡単に購入でき、手軽にたんぱく質を補給できるということで、商品数も増加しています。
今回はプロテインバーのメリットや選び方など、プロテインバーを最大限活用する方法を紹介します。
プロテインバーとは
プロテインバーは、たんぱく質を補給するための栄養補助食品です。固形のスナック状になったプロテインバーは、スポーツ時や、ボディメイクのための栄養補給に使われます。また、健康的な食事として食べたり、忙しい時間の捕食として、日常でも活用することができます。
プロテインバーは一般的に植物性のたんぱく質を使用し、チョコレート、ナッツ、フルーツ、オーツ麦などを混ぜ合わせたものが中心です。多くのフレーバーやバリエーションが存在し、手軽にプロテインを摂取することができます。
プロテインバーの効果・メリット
プロテインバーにはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここではプロテインバーのメリットを説明します。
お菓子感覚で食べられる
プロテインバーの最大のメリットは、お菓子感覚で食べられるという点です。
ボディメイク中は、食事量を少なくしたり、間食を控えることがほとんどです。
そんな時でもプロテインバーであれば、お菓子感覚でたんぱく質補給を行うことができます。食事制限や甘いもの制限のストレスから解放してくれる、心強い味方になってくれるのです。
また、通常のプロテインは独特の風味から飲みにくさを感じることがありますが、プロテインバーはお菓子のような味なので多くの方が食べやすいと感じられるでしょう。
ダイエットに活用できる
プロテインバーはダイエットにも効果的です。
プロテインバーに含まれるプロテインは、大豆などから作られた植物性たんぱく質が用いられることが多いです。
植物性のプロテインに豊富に含まれる食物繊維は、血糖値の上昇を抑えたり、腹持ちをよくしたりする効果があります。
また、プロテインバーを間食に食べれば、通常のお菓子よりも摂取カロリーや糖質を抑えることにも繋がります。
ダイエットのきっかけとして、間食をプロテインバーに置き換えることから始めることもおすすめです。
筋肉の合成と分解防止
たんぱく質は筋肉の元となる栄養素です。
運動と組み合わせて、たんぱく質を補給することにより、筋肉を合成し筋肉量を増やすことができます。
また、たんぱく質をしっかり摂取しておくことで、エネルギー不足時などの筋肉分解を防ぎ、体づくりに役立ちます。
プロテインバーは通常のプロテインよりも少ない工程で素早く摂取することができるので、たんぱく質が不足しやすいトレーニング直後にサッと食べられる点も魅力です。
手軽に摂取できる
プロテインバーは、粉タイプのプロテインと違って、摂取までに水に溶かすといった工程が必要ありません。
袋を開けるだけで食べられるので、シェーカーや、その他の食器も不要です。
また、コンビニなどでも買えるので、外出中に栄養補給が必要になったときにもすぐ入手できるというメリットもあります。
プロテインバーのデメリット
一方、プロテインバーにはどのようなデメリットがあるのでしょうか。
たんぱく質摂取量が少なめ
パウダータイプのプロテインや、サラダチキンなどのたんぱく質を多く含む食品に比べると、プロテインバーに含まれる1食当たりのたんぱく質の量は少ないことが多いです。
そのため、筋肥大など、効率的に多くのたんぱく質を摂取する必要がある用途には向いていません。
プロテインバーはメインの食事としてではなく、あくまでもたんぱく質も補給できる間食として活用すると良いでしょう。
カロリーが高め
プロテインバーはお菓子感覚で食べられるというメリットがある一方、甘さがあるのでどうしてもカロリーや糖質が高めになってしまう傾向があります。
そのため、ダイエット中にプロテインバーを食べる際は、カロリーや糖質もしっかりチェックしなければなりません。
市販のプロテインバーには、カロリーや糖質が少なめのタイプもあるので、ダイエット目的の場合は低カロリー・低糖質タイプのプロテインバーを選ぶと良いでしょう。
また、プロテインバーを手作りすれば、含まれる糖分の量を自分で調節することができます。
粉タイプのプロテインとプロテインバーの違い
プロテインといえば、オーソドックスなのがパウダータイプです。
プロテインパウダーとプロテインバーにはどのような違いがあるのでしょうか。
1.使用されているプロテインの違い
プロテインパウダーの場合、「ホエイプロテイン」「カゼインプロテイン」「ソイプロテイン」など、使用されているプロテインの原材料別に商品が展開されていることが多いです。
そのため、自分の好みや目的に合ったプロテインの種類を選ぶことができます。
例えば、筋トレ目的なら吸収速度が速いホエイプロテイン、ダイエット目的なら腹持ちがいいソイプロテインがおすすめです。
一方、プロテインバーの場合、ソイプロテインを中心にホエイなどを組み合わせて作られており、種類を絞って摂取しにくくなっています。
したがって、基本的は自分の目的にあった粉タイプのプロテインを摂取しつつ、市販のプロテインバーでたんぱく質摂取を補助する使い方をおすすめします。
2.食べるのか、飲むのか
プロテインパウダーは水分を必要とする一方、プロテインバーは水分がなくても摂取することができます。
プロテインパウダーを飲む場合、咀嚼を必要としないため素早く摂取でき、消化吸収が早いというメリットがありますが、水分がないと作ることができません。
プロテインバーを食べる場合は、咀嚼による満腹中枢の刺激により、食事量の抑制にもつながるというメリットがある一方で、パウダータイプに比べると摂取に時間がかかるというデメリットもあります。
それぞれにメリットとデメリットがあるので、摂取タイミングや環境によって、使い分けることがポイントです。
3.摂取量の調整
プロテインパウダーは、プロテイン摂取量を自分でカスタマイズできるため、目的に合わせて細かい調整が可能です。
一方、プロテインバーは1本当たりの摂取量が決まっているため、細かい調整が難しく、本数単位で調整する必要があります。
筋トレの効果を最大限に引き出すには、たんぱく質量を細かく調整して管理できるプロテインパウダーがおすすめです。
4.味やコスパの違い
プロテインの効果を実感するには、継続して摂取することが大切です。
プロテインの場合、味が好みでコスパが良いと続けやすいですよね。
プロテインパウダーはある程度の量をまとめて購入する場合が多いので、味の変化が乏しく、味に飽きてしまう場合があります。
一方、プロテインバーは1回ごとに違う商品を選ぶことができ、その時の気分によって味や食感を変えることができます。
しかし、1食分の価格や摂取できるたんぱく質量を比較すると、プロテインパウダーの方がコスパが良くなりやすいです。
ご自身の予算などに合わせて、無理なく続けられる商品を選ぶようにしましょう。
プロテインバーはどこで買える?
最近では、様々な場所でプロテインバーが販売されており、入手しやすくなっています。
ここでは購入する機会の多い購入場所を紹介します。
プロテインバーをまとめ買いするなら、やはりAmazonなどの通販サイトで購入するのがベストです。箱買いをしても配送してくれるので、重い荷物を運ぶ必要がありません。
また、Amazonなら豊富な商品ラインナップの中から、目的や用途に合ったプロテインバーを選びやすいというメリットもあります。
さらに、Amazonでは定期的に大規模なセールが実施されます。コスパの面でも、Amazonでの購入はおすすめです。
プロテインバーをすぐに購入したい場合は、コンビニがおすすめです。今ではほとんどのコンビニで様々なプロテインバーが販売されています。
コンビニでは定価で販売されていることが多く、コスパ面ではやや魅力に欠けます。
しかし、店舗数が多いことから、プロテインバーを必要なときに素早く購入できることはコンビニの利点と言えるでしょう。
ドラッグストアもプロテインバーを購入するのにおすすめです。
パウダータイプのプロテインと一緒に、豊富な種類が店頭に並んでいるお店もあります。
ドラッグストアでは、セール商品として安く売っている場合もあるので、お近くのお店でチェックしてみましょう。
プロテインバーはいつ食べると効果的?
プロテインバーが最も効果的なのは、食事が摂れないときの間食として活用することです。
食事の時間が空きすぎて、栄養補給ができないと、筋肉は分解されてエネルギーとして使われてしまいます。
その結果、筋肉量の低下に繋がってしまう恐れがあります。
そこでプロテインバーを活用すれば、手軽に間食を摂ることができるだけでなく、しっかりとたんぱく質を補給することができるのです。
また、運動やトレーニング後にも体内のたんぱく質が不足し、筋肉が分解されやすくなります。
屋外などでプロテインパウダーや水分をすぐに用意できないときは、手軽に持ち運べるプロテインバーを活用すると良いでしょう。
プロテインバーのおすすめの選び方【カロリーや質・価格・コスパ】
プロテインバーには多くの種類があります。
ここからは、たくさんあるプロテインバーから、自分に合った製品を選ぶ際のポイントを紹介します。
カロリー、糖質や脂質の量に注意
お菓子感覚で食べられることはプロテインバーの魅力ですが、その分通常のプロテインよりも糖質や脂質、カロリーが高いものが多いです。
そのため、ダイエット目的で活用する場合、食べすぎないようにする必要があります。
市販のプロテインバーではカロリーが200kcalを超えるものもあり、通常のお菓子とあまり変わりません。
そういった製品を食べすぎたり、毎日食べ続けたりすると、むしろ太る原因になってしまいます。
ダイエット目的で継続して食べることを想定している場合は、含まれる糖質や脂質のほか摂取カロリーなどをチェックするようにしましょう。
価格の安さ・コスパは要チェック
バータイプに限らず、プロテインを摂取する場合、継続が大切です。
そのため、継続して購入できるような価格帯である必要があります。
また、プロテインバーのコスパを考える際、たんぱく質含有率をチェックしましょう。
たんぱく質含有率とは、製品の中にどれくらいの割合でたんぱく質が含まれているかを示す数字です。
この数字が高いほど効率的にたんぱく質を摂取できるので、プロテインバーとしてのコスパが優秀ということになります。
プロテインバーのコスパを考える場合は、継続して購入できる価格かどうかと、たんぱく質含有率をチェックするようにしましょう。
美味しさ・食べやすさも重要
無理なくプロテインバーの摂取を続けるには、味も重要なポイントです。
例えば、チョコレート味のプロテインバーの中には、糖質を下げるために使われている人工甘味料により好みが分かれやすい製品もあります。
また、チョコ味のプロテインバーでも、クランチタイプやブラウニータイプなど、食感の異なる製品が販売されています。
健康や筋肉のためにプロテインバーを食べる場合、何よりも継続が重要です。
自分の口に合う味のプロテインバーを選べば、無理なく定期的な摂取を続けることができるでしょう。
タンパク質以外の栄養素もチェック
プロテインバーには、たんぱく質以外の栄養素も含まれており、健康やダイエットに役立つものもあるので注目する必要があります。
例えば、食物繊維が豊富に含まれていれば、血糖値の急上昇を抑制したり、腹持ちをよくしたりする効果が期待できます。
他にも、鉄分やカルシウム、ビタミンなどが豊富に含まれたものもあるので、目的に合った栄養素が含まれたプロテインバーを選ぶことが大切です。
おすすめのプロテインバー手作りレシピ
実は、プロテインバーは自分でも手作りすることができます。
ここでは、プロテインバーの作り方と、おすすめのプロテインを紹介します。
少ない材料で作れるチョコ味プロテインバー
まずは、アルプロンのプロテインを使った、チョコ味のプロテインバーのオリジナルレシピを紹介します。
少ない材料で作ることができるので、気軽にプロテインバーを作りたい方におすすめです。
【材料(2本分)】
ドライフルーツ 50g
オリーブオイル 20g
オートミール 30g(コーンフレーク等でも代用可)
ALPRON ホエイプロテイン WPC 30g
はちみつ 適量
【手順】
(1)ドライフルーツが砕けて塊になるまで、フードプロセッサーにドライフルーツを入れて攪拌します。
(2)(1)オリーブオイル、プロテインを加えてよく攪拌します。
(3)(2)をボールに取り出し、オートミールを入れて生地に練り込みます。ギュッと押して塊になるくらいの固さが目安です。パラパラ感が残るようであればはちみつを加えて調整しましょう。
(4)チャック付きポリ袋に生地を入れて、長方形に形作ります。
(6)チャック付きポリ袋にいれたまま、冷蔵庫で1時間ほど 冷やし固める
(7)固まったら包丁で好きな大きさにカットして完成!
失敗しにくい!ゼラチンプロテインバー
ゼラチンを活用した、失敗しにくいプロテインバーの手作りレシピを紹介します。
【材料(2本分)】
〇ALPRON ホエイプロテイン WPC 40g
〇ココア 10g
〇オートミール 20g
〇カシューナッツ 20g
粉ゼラチン 5g
熱湯 30ml
【手順】
(1)カシューナッツを包丁で圧をかけて砕く
(2)〇印の材料をボウルに入れて、スプーンでムラのないように混ぜる
(3)耐熱容器に熱湯を注ぎ、ゼラチンを入れて完全に混ぜて溶かす
(4)(3)のゼラチンを入れて、全体がしっとりしてきて、粉っぽさがなくなるまで混ぜ合わせる。粉っぽさがなくならない場合は水を加える
(5)ひとまとめにした生地をチャック付きポリ袋に入れて、上から麵棒で好きな厚みに伸ばす
(6)チャック付きポリ袋にいれたまま、冷蔵庫で1時間ほど 冷やし固める
(7)固まったら包丁で好きな大きさにカットして完成!
食物繊維豊富!オートミール入りプロテインバー
今回は、プロテインのほかに、食物繊維を多く含みダイエットにも効果が高い「オートミール」を使ったプロテインバーの作り方を紹介します。
【材料】
プロテイン 20g
ココアパウダー 10g
オートミール 50g
バナナ(お好みで) 60g
ドライフルーツ(お好みで) 30g
バター 50g
牛乳 10g
【手順】
(1)バナナをつぶし、プロテイン、ココアパウダー、オートミールと混ぜる
(2)バターを湯煎で溶かし、混ぜる。※ドライフルーツを細かく刻んで入れてもおいしくなります。
(3)牛乳を入れながら硬さを調整する。
(4)厚さ1.5~2cmくらいに形を整え、冷蔵庫で30分ほど冷やす。
5適当な大きさに切り、クッキングシートに並べ、180℃に予熱したオーブンで15分程度焼く。
手作りプロテインバーにおすすめのプロテイン
プロテインバーを手作りする際の材料として、おすすめのプロテインを紹介します。
ALPRON WPC プロテイン
WPCプロテインは、牛乳から作られるホエイプロテインです。
フレーバーには、プロテインバーにおすすめのチョコ味のほか、ココアミルク、イチゴミルク、チョコバナナなど様々あるので、自分好みのプロテインバー作りにおすすめです。
ALPRON ソイプロテイン
ALPRONソイプロテインは、大豆から作られるソイプロテインです。
ココアミルク味のほか、ミルクティー、黒蜜きな粉、抹茶など、和風テイストのプロテインバーも作ることができます。
IZMO 完全栄養の素
IZMO完全栄養の素は、たんぱく質だけでなく、1日に必要な栄養素がすべて含まれている完全栄養食です。
特にプレーン味は耐熱性プロテインを使用しており、温かい食べ物にもしっかり溶ける上、たんぱく質の変性も防げます。
そのため、オーブンなどで焼くような手作りプロテインバーに活用することができます。
プロテインバーに関するよくある質問
最後に、プロテインバーに関する疑問に回答していきます。
プロテインバーはダイエットにおすすめ?
プロテインバーはダイエットに活用することができます。
しかし、食べれば痩せることができるというわけではありません。
間食を防ぐのに役立ったり、不足しがちなたんぱく質を補給できるという面で、ダイエットに効果があるのです。
食事や運動とのバランスを取りながら、うまくプロテインバーを活用しましょう。
プロテインバーと粉タイプのプロテインはどっちがおすすめ?
プロテインバーはお菓子感覚で食べられることが魅力ですが、粉タイプよりもたんぱく質の含有量が少ないことが多いです。
一方、粉タイプのプロテインはたんぱく質が豊富で価格も安いことが魅力ですが、摂取に水分が必要なことや、味の好みが分かれやすい欠点もあります。
そのため、気軽にたんぱく質が摂れる間食としてはプロテインバーがおすすめですが、筋肥大のために効率的にたんぱく質を摂りたい場合は粉タイプのプロテインがおすすめです。
それぞれに特徴やメリット、デメリットがあるので、目的や用途に合わせて選ぶと良いでしょう。
プロテインバーを上手に活用しよう
プロテインバーには、今回紹介したように様々な優れた点があります。プロテインバーのメリットをうまく活用することで、体づくりを効率よく進めることができます。
間食の誘惑に負けそうになった時、忙しくて食事をとる時間が取れないときなど、食べるのを我慢するよりもプロテインバーを食べて、体を良い状態に保ちましょう。