ザイナマイトが注目されている理由とは?その健康効果と賢く摂り入れるには?

ザイナマイトが注目されている理由とは?その健康効果と賢く摂り入れるには?

監修者:日本プロテイン協会理事/プロテインマイスター 坂本雅俊

プロテインを始めとするスポーツニュートリション商品製造販売会社アルプロン代表取締役社長。2001年の創業以来、人々の健康と活力にあふれた毎日をサポート。2030年頃に起こるとされる世界的課題『タンパク質危機』に挑む。著作「“出世”したければ週2回筋トレすればいい」詳しいプロフィールはこちら⇒ https://alpron.co.jp/about/#message

最近、カフェインのように集中力や興奮作用があり、過剰摂取のリスクが低い成分としてザイナマイトが注目されています。それだけではなく、筋肉の疲労軽減や運動パフォーマンスも上がることが論文で示されています。

今回は、そんなザイナマイトの成分から摂取の方法、取り入れ方をわかりやすく解説いたします。

目次

ザイナマイトとは?

マンゴーの葉から抽出される新たなエナジー成分であるザイナマイトは、従来のカフェインと同様の効果を持つため、筋トレやダイエットのサプリメントとして注目されています。カフェインには運動パフォーマンスを上げるうえで大きな効果があるとされていますが、神経の興奮作用が高いため過剰摂取による影響が問題となっていました。

その代替成分となるザイナマイトは、カフェインの刺激性成分とは異なるものの、同様の効果をもたらしパフォーマンスを上げる作用が強いため、エナジードリンクやサプリメントに使用されることも増えてきています。今回はそんなザイナマイトの成分の由来、特徴、メリットをわかりやすく解説いたします。

マンゴーの葉由来のエナジー成分

ザイナマイトは、マンゴーの葉から抽出されるエナジー成分です。マンゴー葉は、インドや東南アジアの国々で古くから疲労を軽減する健康茶として利用されてきました。その歴史は長く、さまざまな調理法や利用法が知られており、マンゴーの柔らかい葉は野菜のように調理され、料理にも広く利用されてきました。

このような古来からの健康効果に着目し、発見されたのがザイナマイトです。ザイナマイトは、一般的なエナジードリンクに見られるカフェインなどの刺激性成分とは異なりますが、同様の効果をもたらします。

論文に報告されている作用としては、持続的なエネルギー供給をもたらし、身体的な疲労感を軽減し、同時に集中力や注意力を向上させる効果が挙げられます。筋トレやダイエットでのメリットの高さから、エナジードリンクやサプリメント市場で注目されている成分です。

カフェインと同様の効果を持つ

ザイナマイトの大きな特徴は、カフェインと同様の生理学的効果を持つことです。カフェインの代表的な作用は、体の活性化、脳の興奮作用、覚醒作用です。これらの作用は、人間の中枢神経系の活動を活性化させる交感神経を刺激することで発生します。

交感神経が活性化すると、人間の心拍が早くなり、脳に潤沢な酸素がいきわたることで、脳の活動が活性化し、集中力が上がることや、血流が良くなって運動しても疲れにくいといったメリットを得ることができます。

ザイナマイトは、カフェインとは異なる体へのアプローチで、同等の効果を出すことが知られており、まさに注目されている成分なのです。

カフェインと比べて副作用が少なく安全性が高い

ザイナマイトの大きな特徴は、カフェインと比べて副作用が少ないことです。カフェインには先程紹介した大きなメリットがありますが、同時に大きなデメリットもあります。

避けて通れないのが、カフェインによる過剰な興奮作用です。近年、カフェインは紅茶やコーヒーだけではなく、炭酸飲料やお菓子などにも含まれており、知らないうちに過剰摂取してしまっている方が増えてきています。このカフェインの過剰摂取は社会的な問題とされており、摂取量に関して一日の目安量が設けられるようになりました。

カフェインの過剰摂取の大きな問題は、過剰な興奮により、不眠や不安を覚える精神的な影響、心拍数が高くなりすぎることによる心臓への負担の増加、頭痛の原因、利尿作用の上昇による頻尿や腎臓への負担増が挙げられます。

加えて、カフェインを過剰に摂取し続けたことによって発生する中毒症状になるリスクもあります。

ザイナマイトには、中枢神経系への作用がないため、カフェインのような副作用は報告されておりません。心拍数や血圧変動もないと報告もあるため、体に負荷をかける運動やダイエットにより適している成分なのです。

カフェインとの相乗効果も期待できる

ザイナマイトは、カフェインと組み合わせることで相乗効果が期待できます。一見すると同じような効果がある成分は摂取を控えるべきと思われがちです。しかし、体への作用のアプローチが異なるため、両者を組み合わせることで、より持続的なエネルギー供給が可能になります。

カフェインとの相乗効果による大きなメリットは、両者の摂取量を抑えることができることです。カフェインによる健康リスクを低減しながら、集中力の向上や運動に適した体の状態を単独での摂取よりも長時間効果的に得ることができます。

ザイナマイトは、カフェインとの相乗効果を通じて、安全で効果的なエネルギーソースとしての可能性を秘めているのです。

ザイナマイトとカフェインの違い

ザイナマイトとカフェインは、両者がエネルギーや注意力の向上に役立つことで知られていますが、その背後にあるメカニズムや特性には注目すべき違いがあります。

この項目では、ザイナマイトとカフェインの違いについてわかりやすく、比較しながら紹介いたします。

過剰摂取による副作用が無い

現在の段階では、ザイナマイトの過剰摂取による健康被害の報告はありません。安全性に関する研究や臨床試験において、摂取量の増加によって健康上のリスクが生じることは確認されておりません。

こうした研究結果から、ザイナマイトは安全性が高く、カフェインのような中毒性がないことが現時点の研究結果で示されています。加えて、過剰量の摂取による健康被害の有無を調べる研究により、ザイナマイトは一般的な摂取量範囲内では安全であると示されているため、注目度が非常に高くなってきています。

継続的、長期的な摂取による危険性も少ない

ザイナマイトには、中枢神経系への刺激が少ないことから、継続的な長期摂取による健康被害のリスクはとても低いとされています。

カフェインは、中枢神経のアデノシン受容体とアデノシンの結合を阻害することで、興奮作用を引き起こします。しかし、カフェインの興奮作用は慢性的な摂取が続くと同じ量のカフェインで同じだけ覚醒や集中力の効果が出なくなります。そのため、多くの人がより多くの量のカフェインを摂取するようになっていき、最悪の場合は健康被害が発生するようになります。

一方で、ザイナマイトはこのような中枢神経系への刺激が少ないため、効果が減弱していくことや、それに伴う摂取量が増えていくリスクも減らすことができます。また、脱水症状や胃痛といった不調の原因も減らせます。

ザイナマイトには、カフェイン過剰摂取によって生じてしまう健康リスクを減らすことができ、中毒性がないのも大きなメリットです。

半減期が長いため効果が持続しやすい

ザイナマイトのメリットは健康効果が高いだけではありません。ザイナマイトが人間の身体の中で摂取量が半分になるまでの時間を半減期と言いますが、この半減期がカフェインより長いため、少ない量でもザイナマイトの効果は持続します。その半減期は、約8時間と報告されています。

この長い半減期により、ザイナマイトの効果は摂取後に持続しやすいのも大きなメリットです。一度の摂取で長時間にわたってエネルギーを維持することができるため、ザイナマイトは特に長時間の持続的なエネルギーが求められる活動や運動のサポートに適しています。

一回の摂取の持続時間が長ければ、摂取のためにこまめに摂る必要もありません。そうした面でも、ザイナマイトには優れた点があるのです。

筋トレにおけるザイナマイトの効果

ザイナマイトには、摂取をすることで筋トレの効果や疲労、筋肉痛の予防効果があることが多くの論文や研究で報告されています。その多くの論文の中での、ザイナマイトの健康効果に関する研究結果を紹介いたします。

運動パフォーマンスの向上

ザイナマイトの有効性を調べるためにアメリカで12人の男子学生を、3つの群に分け、異なる量のザイナマイトを摂取してもらう実験が行われました。そのうえで、一定負荷の運動パフォーマンスを行い、運動負荷試験を行い体への影響が調べられました。

ザイナマイト140mgとルテリオン50mg/日が低ザイナマイト群、ザイナマイト420mgとルテリオン100mg/日が高ザイナマイト群、そして何も摂取しないプラセボ群の差を調べました。(参考文献:Nutrients 11: 344)

その結果ザイナマイトを摂取した2群は、酸素の使用量が減少しつつも、脳疲労が減っているという結果が出ました。そのうえで、乳酸値が上がっていたことから、運動に必要なエネルギーの生成も活発になっており、運動しても疲れにくいことが証明されました。

筋肉痛軽減、筋肉疲労の回復促進

ザイナマイトの摂取は、筋肉痛の軽減や筋肉疲労の回復を促進する効果も報告されています。ザイナマイトを140mgとケルセチン140mgをザイナマイト群、摂取なしのプラセボ群に分け、摂取したことによる運動前と運動後の体の疲労に関して調べた論文、(参考文献:Nutrients 12: 614)で示されています。

この研究では、ザイナマイトが炎症反応を抑制し、筋組織の修復を促進すると明記されました。加えて、ザイナマイトが筋肉内の酸素供給を改善する効果があるという研究結果が報告されています。

筋肉痛や筋肉疲労は、筋トレ後に生じる一般的な現象ですが、これらが軽減されることでトレーニングの効果を最大限に引き出すことが可能です。そのため、ザイナマイトは筋トレ愛好家やアスリートにとって、摂取を工夫すれば、疲れにくい上に筋肉痛の予防にも役立ちます。

ザイナマイトの摂取方法

運動に取り入れるといい事だらけのザイナマイトですが、摂取の方法や目安量、タイミングのおすすめの摂取方法を紹介いたします

サプリやグミの形で摂取する

ザイナマイトは、サプリメントやグミの形で手軽に摂取することができます。これらの形態は、日常生活に取り入れやすく、摂取が便利です。

サプリメントの長所は、成分に不必要な添加物が含まれていないことと、保存性に長けていること、コスト面でも安い点です。グミタイプは、いつでも手軽に摂取ができる点であり、持ち運びが便利なメリットがあります。

サプリメントやグミは、各種のブランドや製品で市販されていますので、自分にあった生活習慣で取り入れやすいものを選ぶのがポイントです。

1日あたりの摂取目安量

ザイナマイトの1日あたりの摂取目安量は、140mgから300mgです。過剰摂取による健康被害は現在報告されていないものの、目安量を超えての摂取は避けるようにしてください。

この数字は1日の摂取目安なので、1日2回140mgずつ摂取しても問題ありません。

しかし、マルチサプリなどの商品でザイドマイトの成分が含まれており、1日あたりの合計の摂取量が300mgにはならないように注意をしてください。

特に、健康被害がないとされているものの、日常的に薬剤を飲んでいる人は、一旦医師に相談することをおすすめいたします。

おすすめの摂取タイミング

ザイナマイトの摂取タイミングとしては、運動前や食事前がおすすめです。そして摂取後に筋トレや運動を行うことで、その効果を最大限に引き出すことができます。

また、ザイナマイトには中枢神経には作用しないものの、脳活性化作用があります。そのため、就寝前6時間以内に摂取することは避けてください。カフェインのような大きな興奮作用はないものの、睡眠に影響を及ぼす可能性があるため、夜間の摂取は控えましょう。

適切な摂取タイミングを守ることで、ザイナマイトの長所が最大限に活かせるので、運動やダイエット、筋トレなどに大きな助けになるでしょう。

ザイナマイトの健康効果を最大活かして理想の身体へ

ザイナマイトは、カフェインと同様の刺激効果を持ちながらも、カフェインに見られる副作用の心配が少ないことが特徴です。そのため、集中力や筋トレ効果の向上、筋肉疲労の解消といった健康効果を最大限に活かすことできると大変注目されています。

適切な摂取量と摂取のタイミングを守りながら、日常生活でザイナマイトを取り入れることは、理想の身体へ近づく大きな助けになります。特に筋トレや有酸素運動といった長時間持続的な運動が必要なトレーニングに向いています。

賢くザイナマイトを取り入れることは、疲れにくい体を作る大きな助けになるでしょう。

参考文献

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